メンズスーツのおしゃれでカッコイイ着こなし方
メンズスーツのおしゃれでかっこいい着こなし方にはルールとコツがあります。
スーツファッションにはカジュアルからフォーマルまで様々な楽しみ方がありますが、それらをひっくるめて今回はこれさえ押さえておけば自然とオシャレに見えるという着こなし術を、流行スタイルを交えて紹介します。
目次
ネクタイの色
- ネクタイの色はシャツより暗くする。
- ドレスシャツよりもネクタイが明るいと、なんだかぼんやりする傾向にある。
- この傾向は必ずしもというわけでは無いが、暗いネクタイをすることで無難なコーディネートが可能となる。
カジュアルの流行スタイル
- 流行は、1つボタンのピークドラペルのジャケット。
- これは1つボタンの方がカジュアルということを意味するわけではない。
- あくまでこのスタイルがカジュアルの中で流行している、というだけの話。
スーツのボタン数と格式の高さ(フォーマル度)
1つボタンより2つボタンの方がよりフォーマルだという人もいますが、私の知見ではこれは誤りです。世界が認める最上級のフォーマルは1つボタンです。
幅の細いナローラペルを使う
ラペル(Lapel)とは、スーツの襟のことを指します。
ラペルの幅は細い方がいいというのが現代の流行です。ラペルの幅が広いとどうもおじさん臭く見えてしまいます。
ラペルの幅
- レギュラーラペル
- Regular lapel
- 平均的な幅のラペル。幅は8 cm~8.5 cm程度。
- ナローラペル
- Narrow lapel
- 細目のラペル。幅は5 cm~7.5 cm程度。
- ワイドラペル
- Wide lapel
- 太めで幅の広いラペル、風で舞い上がらないように固く重く加工してあることもある。幅は9 cm~10 cm程度。
ネクタイの幅の決め方
- ネクタイの幅とワイシャツのカラー(襟)やスーツのラペル(下襟)幅が同じになるようにする。バランスが重要。
- 最近は細いラペルが流行しており、同時にネクタイも追従して細くなってきている。
最近は細身のネクタイが流行ですよと勧めてくるスーツ店員さんは多くあながち間違いではありませんが、彼らがこの法則を理解した上で言っているかは正直言って疑わしいです。
もし、ワイドなラペルと細いネクタイをセットで勧めてきたら店員さんのセンスを疑ってみて下さい。
そして、店員さんのスーツ姿を見てみてください。店員さん自身がカッコイイ着こなしをしていない場合は、いいアドバイスは貰えないと覚悟しましょう。
ラペルの形とフォーマル度
ラペル(下襟)にも色んな形がありますが、ノッチドラペルの方がよりフォーマルです。上に跳ね上がったようなピークドラペルはパーティーに向いています。
ラペル(下襟)の種類
- ノッチドラペル
菱形のラペルで、もっともオーソドックスな形状。背広襟ともいわれ、あらゆるシーンに対応。シングルのスーツに多いスタイル。
- ピークドラペル
ラペルの先端が上向き。ドレッシーなスタイルにも対応。
- セミピークドラペル
ノッチトラペルとピークとラペルの中間。
- ローリングダウンラペル
- 段返り
一番上の第一ボタンの部分が襟と重複して折返っている襟。日本語では段返りと言う。この場合、一番上のボタンは留めない。
- ショールカラー
- へちま襟
上衿とラペルが繋がっており、礼服に於いては拝絹(艶ありのシルク素材が多い)が有る、タキシードに用いられる襟で、夜の慶事の礼服に用いられることが多い。カーディガンにも見られる。ガウンおよびスモーキングジャケットに由来。
- マオカラー
- 立襟
日本国外で人民服や国民服、学生服に似せた背広を制作したのが始まりだと言われている
マオカラースーツの特徴的な襟。「マオ」は中国共産党中央委員会主席などを歴任した毛沢東に由来する。英語では、インド首相などを歴任したジャワハルラール・ネルーがよく着ていた立襟の上着にちなんで、ネルージャケット(Nehru jacket)という。
サイズ感
もし本当にぴったりなら、ボタンを閉めたジャケットに手を入れた時、フィット感を感じつつも手を動かせるほどの空間とゆとりがあるはずです。
肩がジャストフィットすること
既製スーツを購入するにあたって1番気を付けるべきポイントは、肩がジャストフィットしているかということ。肩に大きく空間が空いていたり、逆に窮屈なものはNG。
上着の襟とシャツの襟に隙間
真っ直ぐ立っているのに、シャツの襟とスーツの間に大きな隙間が出来たり、留めたボタンの周りや胸部にシワが出来る場合は身体にフィットしていません。
フォーマルな場面ではダークスーツ
- 濃いグレー、チャコールグレー、濃紺といった所謂ダークスーツは略礼装としても使えるなど、非常に汎用性が高いので1着は持っておくことをオススメする。
- ただし、お葬式を除く。
ベルト、革靴、バッグは同じ色
黒い靴なら黒いベルトに、黒いバッグ。茶色の靴なら茶色のカバン。統一することで印象がグッと引き締まります。
靴の色とスーツの色の組み合わせパターン一覧
ブラック、ダークグレーのスーツに茶色い靴はNG。茶色のスーツに黒い靴もNGです。
フォーマルな場面では革靴はバルモラル
スーツの時に履く革靴には、主に2種類があります。
- バルモラル(Balmoral)
日本語での呼称は内羽根式。羽根(靴紐が通っている部分)がアッパーと一体化している。室内履きが由来で、冠婚葬祭などフォーマルな場面で履く。
- ブラッチャー(Blucher)
日本語での呼称は外羽根式。羽根の可動域が大きく足を動かしやすい。スーツ以外でのカジュアルな着こなしにも合う。
ベントの選び方
ベント(Vent)とは上着の裾の切り込みのこと。切り込みが1箇所ならセンターベント。2箇所ある場合はサイドベンツ(Vents)と複数形で呼ぶ。
ポケットに手を突っ込んだりカジュアルな着こなしをするなら、後ろから見た時のバックスタイルを綺麗に保つことが出来るサイドベンツがベター!
後ろにひとつだけ切り込みのあるセンターベントでポケットに手を入れた場合、裾が大きくめくれ上がってしまって不恰好になります。
スラックス、スーツパンツのハンガーの掛け方
これは多くの人が知っているかもしれませんが、両足の裾でハンガーを挟むようにして掛けると、シワが綺麗に伸びてくれます。
ボタンとおへその位置関係
2つボタンの1番上のボタン(3つボタンなら真ん中のボタン)はおヘソかそれより上にあるのが理想ですが、よほどサイズを間違えない限りは自然とこうなるはずです。
座っている時はボタンを外す
厳密に言えばシャツは下着という扱いなので、2ピーススーツでベスト(ウェイストコート、ウエストコート、ジレ)を着ていないのにスーツのボタンを外すのはマナー違反です。
しかし、座っている時はボタンを外しても良いというルールになっています。また、ボタンを留めたまま座るとスーツのフォルムが崩れるので、寧ろ外す方が好ましいとさえ言えます。
離着席の度に、ササっとボタンを付けたり外したりするのが紳士の嗜みです。
スリーピース・スーツでベストを着ている場合なら、座っている時は勿論のこと、立っている時でもジャケットのボタンを外してOK!
ベストの着かた
一般的に、ベスト(ウェイストコート, ジレ)を着用する場合、1番下のボタンは外します。
これは絶対的なルールではありません。4つや5つボタンのベストのようにボタン間隔が間延びしている場合は全て留めることがあります。また、最近では「外すための飾り用」として、他のボタンよりも広く感覚を取ったボタンが付けられているベストもあります。
- 4つボタンや5つボタン
- 全部留めることが多い
- 5つボタンで、1番下のボタンだけ他より広い間隔
- 1番下は飾り用なので留めない。上4つを留める
- 6つボタン
- 上5つを留め、1番下は留めないことが多い
これは、このウェイストコートなら外さなければならないとかそういう堅苦しい決まりがあるワケではなくて、あくまでも外した方がカッコイイと思うなら外すのもアリといった感じです。その由来については下記を参照して下さい。
1番下のボタンを外す理由・由来
お腹がとても出っ張っていたイギリス国王ジョージ四世(1762年8月12日 – 1830年6月26日)がウェイストコート(Waistcoat)の一番下のボタンを留め忘れてパーティーに出席してしまった時、欧州ファッション界の権威で国王の友人でもあったボウ・ブランメルがそれに気付き、国王に恥をかかせまいと自分もボタンをさりげなく外したところ、周囲の人々があのブランメルがウェイストコートのボタンを外している!これは新しいお洒落に違いない!と勘違いして真似をしたのが始まりだと云われています。
カフの見せ方
背後から見たときに見えるシャツのカラー(上襟)と同じ長さ分、スーツの袖口からシャツのカフが見えるようにして下さい。0.5インチ(1 cm強)が理想です。こうすることで調和の取れた外観を得ることができます。
シームリッパーが必要
刺繍やステッチを自前でほどくために、シームリッパー(スティッチリッパー)やハサミを1セットは持っておくことをオススメします。携帯しろという意味ではありません。
ジャケットの丈の長さ
お尻が見えるくらい着丈が短かったり、ウェストが異様に締まったスーツは流行していますが、ちょっとみっともないです。特にフォーマルな場面では控えた方がいいでしょう。
ネクタイの結び目の大きさ
ネクタイの結び目の大きさは頭や顔の大きさで変えます。
- フルウィンザーノット
頭が大きい人は結び目の大きいフルウィンザーノットがオススメです。
How to Tie a Tie (Mirrored / Slowly) – Full Windsor Knot
- ハーフウィンザーノット
頭が小さい人は結び目の小さいハーフウィンザーノットの方がバランスがいいです。
How to Tie a Tie: Half Windsor Knot
ネクタイの長さ
- 剣先はウエストバンドに到達、或いは僅かに短いくらいが良い。
- あまりに短いのも間抜けに見えるが、真っ直ぐ立った時にベルトのバックルが完全に隠れるようではちょっと長すぎる。
- でもどちらかと言うと、ちょっと短いよりかはちょっと長い方がまだマシ。
ディンプル(dimple)を作る
ディンプルとはネクタイの結び目に作る窪みや折り目のこと。慶事にはディンプルを作りますが、弔事には作らないのが礼儀作法。でも、めでたいことがない平凡な日常でもディンプルを作ってOKです。
(上の写真はシングルディンプル)
- シングルディンプル
- single dimple
- ディンプルを中央に一つだけ作るもの。
- ダブルディンプル
- double dimple
- 左右に二つのディンプルを作るもの。
パンツの長さ
- パンツのすそは靴の上部にギリギリ接する長さ。
- 保守的なファッションの場合、靴ヒモや靴の上部にパンツの裾が接するようにする必要がある。
- ただし必要以上長くて靴に接触しすぎるとクリース(パンツの縦の折れ目)が折れ曲がり、不恰好になるので注意。
スネは絶対に見せない
- 座っても靴下が見えないのはパンツの丈が長すぎ。
- かと言って、スネ毛が見えたらもっと最悪。
アンダーシャツを着ること
- 先程ワイシャツは下着だと説明したが、ワイシャツが下着だから、その下に更にアンダーシャツを着るのは誤りだ!と固執するのもまた間違い。
- たくさん汗をかく場合は、アンダーシャツを着用する。
- 夏場、2ピーススーツで上着を脱ぐことを想定しているなら絶対に着ること。
- アンダーシャツを着ずに白のシャツだけだと、肌が透けて見えてしまうから。
- 特に仕事の時はアンダーシャツを着ること。
- 汗もかかないほど仕事の手を抜くつもりか?と皮肉を言う陰険な上司に目をつけられたら面倒。
ディスカッション
コメント一覧
1着は凄い上等なスーツ欲しいなーと思いつつなかなか手が出せない
せやなぁ
夏用にとリネン地のスーツこしらえて着てみたら
あっという間にシワシワになるでござるなwww
はじめまして、こんにちは!
記事の上から6、7枚目はどこのメーカーなのか教えて頂けないでしょうか?
すごくカッコいいと思いました。
>>ゴールドシップさん
こんにちは、初めまして。
6枚目は調べても分かりませんでした。すいません。
7枚目については、NYの仕立て屋さんのカスタムメイドみたいです。詳細は本文の画像のすぐ下に追記しました。
「ネクタイの結び目の大きさは頭や顔の大きさで変える」とありますが、顔よりシャツ襟の種類やスーツスタイルの系統で変えるべきでは…?
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