「黄身返し」黄身と白身が逆転したゆで卵の簡単な作り方

2017/08/05

黄身と白身がひっくり返ったゆで卵が作れたら面白いと思いませんか?実は「黄身返し」という料理が江戸時代から存在するんです。
そして、その黄身返しの作り方を紹介している動画がyoutubeにありました。

1989年、伝承料理研究家の奥村彪生さんの手で、江戸時代の料理書・通称『玉子百珍』(器土堂主人著『万宝料理秘密箱・前篇』1785年刊)の料理再現をはかった現代語訳が出ました。
しかし、百珍中、「黄身返し」は未再現で、幻の一品となっていたのです。
ある時その本を読んだ八田一氏(京都女子大学家政学部 教授)が、幻の一品に興味をそそられ、味見をしたくなり挑戦。やはり失敗続きの実験中、ふとヒラメイタのが「江戸時代の卵は有精卵!」
スーパーなどの市販の卵は、無精卵が一般的。今までそれで実験していたのです。 さて、再現成功。1998年学会発表。

資料:江戸時代の料理書『玉子百珍』

上記のエピソードを読むと、「じゃあスーパーに売っている無精卵では作ることが出来ないジャン!」と思ってしまいますが、それは早合点です。
「黄身返したまご」を作るには黄身の膜を破る必要があるのですが、無精卵で失敗しやすい理由は有精卵に比べて無精卵の黄身の膜が破れにくいためで、ちゃんと膜を破ることが出来れば無精卵でも再現可能です。

動画の撮影者さんは、このレシピを元に再現に挑戦しています。用意するものは次の5点です。

  • 生卵
  • 透明粘着テープ
  • 懐中電灯
  • ストッキング 針金
  1. 生卵に透明粘着テープを巻きつけて卵が割れないように保護する
  2. ストッキングの真ん中に入れて卵のすぐ両端を結んで卵を固定する
  3. 両端を何回も捻って外側に引張って逆回転を起こし、卵を高速回転させることで黄身の膜を破る
  4. 黄身が破れて卵の外側に来ているか懐中電灯で卵を透かして確認する
  5. あとは茹でて、カットすれば完成!

黄身と白身が逆転!黄身返したまごの簡単な作り方!

より具体的で詳しい作り方や、再現のエピソードは下のリンクで紹介されています(が、文字が多くて読む気が起こらない)。

PDF:資料:江戸時代の料理書『玉子百珍』

http://www.instantramen-museum.jp/event/recipe06.pdf

PDF200年ぶりによみがえった 江戸時代の卵料理「黄身返したまご」

http://www.instantramen-museum.jp/event/recipe03.pdf

完全に攪拌して加熱することで「たまごプリン」を作っているお店や、タカラトミーアーツから出ている「おかしなたまご まわしてまわしてまるごとプリン」なんていうのもありますが、作るたびに表情が変わる「黄身返し」はなかなか面白いですね。