右翼は複雑性を理解する前帯状皮質が少ない?保守・リベラル、脳構造から違う

2013年5月7日、ロンドン大学の研究チームが保守とリベラルの脳構造の違いに関する研究結果を米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に発表しました。何事においても対立しがちなリベラル派と保守派ですが、互いはそもそも脳の構造から異なっているといいます。

イギリスの英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London、UCL)の研究チームが行った実験は、健康的な若い成人90人を対象にアンケートをとった後に彼らの脳をスキャンするというもの。

自分の政治的志向を非常にリベラル(1)非常に保守的(5)までの5段階で自己評価してもらい脳をスキャンした結果、リベラルであるほど前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)の灰白質(神経細胞の細胞体が存在している部位)の容積が大きく、保守であるほど右扁桃体の容積が大きい傾向にあることが判明。

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Wikipedia : 前帯状皮質 ヒトの左大脳半球の内面から見た前帯状皮質(オレンジ色)
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Wikipedia : 扁桃体 ヒトの扁桃体(赤色の部分)

リベラル派(左翼・左派)は前帯状皮質が大きく、複雑性を理解できる

リベラルな人が大きな容積を持つ前帯状皮質は複雑性の理解に関連する部位です。前帯状皮質が大きいほど不確実性や対立への認容性が高いため、リベラルな意見を許容する傾向にあります。逆に右翼はこの部分の脳が小さい傾向にあります。

保守派(右翼・右派)は扁桃体が大きく、危機的状況下で攻撃的になる

保守的な人が大きな容積を持つ扁桃体は恐怖心の処理に関連する部位。扁桃体が大きいほど反感や脅すような表情に敏感で、危機的状況下ではリベラルな人以上に攻撃的に反応する傾向にあります。

脳の活動と関連付けた研究によって心理的特性で右派・左派といったその人の政治的志向を予測できることは知られていましたが、脳の構造と結びつけた研究は今回が初めて。

レイシズムを解決するには、とりわけ学習と文化が重要

イタリア北東部にあるトリエステのSISSA(先端研究国際高等学院)で開催されたカンファレンスレイシズムの神経科学で主役を務めたニューヨーク大学の神経科学者エリザベス・フェルプス氏曰く、他人に対する態度には2つあり、ひとつは顕在的で自認する態度だが、ステレオタイプとして潜在的に取る態度もあるといいます。

先の説明のように脳内でどのような反応が起こっているかという研究は今なお進んでおり、fMRI(機能的核磁気共鳴画像法)によってスキャナーすることでニューロンなどの脳活動を観察することが可能です。

しかし神経科学だけでは限界があるため、神経科学と行動科学の協力がレイシズムの解決繋がる。また、三族的に異なる人に対する態度は不変では変えることができる。とりわけ学習と文化が重要だ。と述べています。

日本でもよく見られる、リベラルな議案に対する保守、殊更「ネトウヨ」と呼ばれる人たちで顕著に見られるレイシスト(人種差別主義者・排外主義者)のネット上での極めて攻撃的な暴言は、己の理解を超えた不確実なことに対する恐怖心からなのかもしれませんね。

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