チンパンジーの「手話」を一部解読!イギリスの研究チーム
Afrika Force/Chimp Eden Sanctuary – Charleen
遺伝的に最もヒトに近い種とされる「チンパンジー」。彼らの高度な意思疎通の解読を目指す研究で、チンパンジー同士の間で「私に従え」、「これを受け取れ」、「やめろ」といった意思を手話の要領で伝えるジェスチャーが存在することが明らかになりました。
2014年7月3日、米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)が公開した英スコットランド(Scotland)のセント・アンドリューズ大学(University of St Andrews)の研究チームの論文には、チンパンジーが互いに何を伝えようとしているかを解読するための内容が記されています。さながら「チンパンジー手話辞典」です。
研究者らは合計66種類ものジェスチャーを解読。ジェスチャーは単独のみならず、2~3或いはそれ以上の複数の種類を繋げて使うことで複雑なメッセージのやりとりを行うことができます。
ジェスチャーによる意思疎通が存在すること自体は以前から判っており、「その情報伝達システムは"人間の言語"と共通の起源を持つのか?」という疑問が持ち上がっていました。面白いことに、どの個体によるジェスチャーでもその意味が一貫して同じで、これは非常に重要な点でもあります。
研究チームは2007~2009年の間にアフリカ中部ウガンダで撮影された3400頭以上のチンパンジー同士のやりとりを対象に、4500を超えるジェスチャーについて調査したところ、以下のようなジェスチャーが判明しました。
- 母親が赤ちゃんに自分の足の裏を見せる=「お母さんに抱きつきなさい」
- ほかのチンパンジーの腕に触る=「私の体を掻いて」
- 葉を噛む=注意を引こうとする性的な意味を持つ
それと同時に、別のチンパンジーの体の一部を掴むことのように1つで複数の意味持つジェスチャーもあるといいます。
- 「やめろ」
- 「自分に抱きつけ」
- 「向こうへ行け」
などなど。 これらのようなちょっとした頼み事から、より多くのジェスチャーを使った社会的な交渉まで、さまざまなものがあるといいます。
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