誤用の多い日本語まとめ
周囲の人やテレビに映っている人が使っている誤った慣用句や言い回しを正しい日本語だと思い、それをそのまま間違って覚える人は多くいます。そんな誤用しがちな日本語をご紹介します。
- 穿った見方
疑ったような物事の見方という意味ではありません。本来は物事の本質を捉えた見方を意味します。
- さわり
さわりの部分とは冒頭部分を指す言葉ではありません。本来は一番盛り上がる部分=クライマックスを意味します。
- 敷居が高い
高貴、高級、身分に相応しくないという意味ではありません。過去に相手に対して不義理や面目がないことがあって、訪ねるのに躊躇うことを意味します。
- 潮時
物事の引き際・終わり時という意味ではありません。丁度いい時期、いいタイミングを意味します。また、何かが終わる時だけではなく何かを始める時にも使います。
- 斜に構える
ひねくれるという意味ではありません。真剣に取り組む姿勢を意味します。語源は剣道で、開始前に相手と正対して竹刀を傾け合う姿から来ています。
- 失笑
面白くないので笑いが失くなるという意味ではありません。思わず吹き出して笑うことを意味します。
- 失笑を買う
失笑と似た言葉として失笑を買うがありますが、こちらは相手を見下しながら笑うことを意味します。近い意味の言葉としては苦笑や憫笑(びんしょう)があります。
- 気が置ける
相手に気を許せる、信頼しているという意味ではありません。気が許せない、信頼していないという意味です。信頼している場合は気が置けないと言います。
- 煮詰まる
物事や話し合いが上手くいかず、膠着状態にあることを意味しません。話が上手くまとまっていく様子を意味します。
- 小春日和
春の暖かい天気の良い日を意味しません。晩秋から初冬にかけての暖かい日を意味します。
- 酒池肉林
破廉恥な宴を意味しません。お肉やお酒が沢山あり、贅沢な食事を意味します。
- すいません
すいませんは誤用です。正しくはすみません。済まないが語源です。
- 奇特
奇人、変わり者を意味しません。特別に優れていること、行いが感心なことを意味します。
- 檄を飛ばす
大声をあげること、叱咤することを意味しません。自分の考えや主張を多くの人々に広めることを意味します。語源は古代中国で考えを広めるために使われた檄文という文書。
- 雨模様
雨が降っている状況を意味しません。今にも降り出しそうな空模様を意味します。
- いぎたない
漢字で書くと寝穢い。寝相が悪いことを意味します。
- おもむろ
漢字で書くと徐ろ。何気なくを意味しません。ゆっくりを意味します。
- 割愛
重要ではないので省略するという意味ではありません。愛着があるが、仕方なく切り捨てることを意味します。愛着がなく、ただ省略したい場合には省略しますと表記したり述べるべきなのです。
- 流れに棹さす
物事の流れを阻害するという意味ではありません。物事が上手くいくようにすることを意味します。語源は、船頭が船を操るために使う棹(さお)という道具です。
- 憮然
不機嫌、怒る、不満という意味ではありません。失望したり、落胆して虚無感の漂う様子を意味します。
- 破天荒
豪快、大胆を意味しません。誰も成し得なかったことを達成することを意味する褒め言葉です。
- 確信犯
悪いことだと分かっていながら行うこと、またはそれを行う人のことを意味しません。政治的、宗教的、道徳的に、自分の良心に照らし合わせれば正しいと思って行う犯罪またはそれを行う人を意味します。重要な点は、本人がその行いの正当性を確信していることです。その行いが現行法において違法で、自分が処罰の対象になることを認識しているかどうかは問題ではありません。政治犯などがこれにあたります。悪いと思っていながらわざと行うことは故意犯と言います。
- 姑息
卑怯、ずる賢いという意味ではありません。一時しのぎ、その場しのぎ、小手先の手段を意味します。
- 過半数を超える
過半数という言葉そのものに半数を超えるという意味があるので、過半数を超えるだと超えるが重複してしまいます。正しくは過半数を占める、或いは単に半数を超えるといいます。
- うんちくを垂れる
薀蓄を垂れる、薀蓄を語るは誤用です。正しくはうんちくを傾けるです。
- 押しも押されぬ
正しくは押しも押されもせぬです。
- 尻をまくって逃げる
尻尾を巻いて逃げるを意味しません。正しくは尻を捲くるです。尻を捲くるとは戦闘態勢に入ることを意味します。語源は着物の裾をまくり上げる様子から来ています。
- 風の噂に聞く
正しくは風の便りに聞くです。人の噂に聞く、街の噂に聞くという言い回しは正しい用法です。
ディスカッション
コメント一覧
批判が無いのが残念でしかたありません。
非難と混同された誤用が多いですが、本来は批判理論や批判哲学に観るように
事実に基づいて判断を下すという意味です。
批判という字にも事実を付き合わせて判断するという意味はありますが、否定や非難の意味はありません。