ゴキブリにナノロボット「DNAの折り紙」を注入する技術
イスラエルのバルイラン大学(Bar-Ilan University)の研究チームが、DNAで作ったナノロボットをゴキブリの体内に注入して演算処理を実行させることに成功し、ネイチャー・テクノロジー(Nature Nanotechnology)に論文を掲載し、2014年4月8日でNewsScientist誌が報じています。
この実験が医療に役立つ技術として期待されています。どういうことでしょう?
特定の患部に薬を投与できる
この研究では、DNAを二次元および三次元的に結合させることで構造体を作り、「DNA origami」と呼ばれる文字通りDNAの折り紙で作成した「ナノロボット」をゴキブリの体内に注入して相互作用を行わせています。
ナノロボットはDNAの結着性を利用したもの。
DNAはある特定の種類のたんぱく質と出会うと二重らせん(2本鎖)がほどかれますが、配列を人工的に調整すると特定の物質に出会った時に二重螺旋をほどくことができるようになります。
医療分野ではこれを応用しようと考えています。具体的にはガン治療などで、ナノロボットがガン細胞にたどり着いた時に構造が展開して、中に抱えていた治療薬が投与される仕組み。これにより、患部に到達するまでの無用な免疫反応を回避することができます。
また、同チームは生きたゴキブリに多種類のボットを投与し、伝達・制御精度をコンピュータシステムと同等にまで高めています。この手法を拡張すれば演算能力はCommodore 64やAtari 800などの8bitコンピュータに匹敵する処理能力を有することができるといいます。
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