原爆1兆倍の威力!火星に接近中の超巨大彗星が2014年に衝突の可能性!

2016/05/15

2013年1月に発見された「サイディング・スプリング彗星 (C/2013 A1)」が、2014年10月に火星とニアミス予定!計算上では、その距離があまりに近すぎるために誤差次第では正面衝突の可能性も浮上しています。

この超巨大彗星の直径は約50kmと推定されています。

超巨大彗星「サイディング・スプリング彗星 (C/2013 A1)」

通常、彗星は直径1km~10km程度で50kmというのは彗星の中でも最大級で非常に稀。この「サイディング・スプリング彗星 (Comet Siding Spring) 」は、2013年1月3日に天文学者のロバート・H・マックノート氏が発見しました。

NASAによると、2014年10月19日18時45分 (UTC=世界標準時)に最も火星に接近し、火星の中心から数万kmの範囲を通過するといいます。NASAはこれまで何百回と観測して計算を繰り返していますが、計算する度に衝突確率は変動しています。

衝突の確率は0.2%前後と非常に低いですが、最接近距離は今後も変動する恐れがあります。

2013年3月18日に出された、162日間の212回の観測結果によれば、サイディング・スプリング彗星は最も遠い場合で火星から約33万8000kmの距離を通過します。しかし、もっと接近する可能性もあり、最小距離は0。最も可能性の高い距離はわずか約11万8000kmと考えられています。(火星の衛星のうち、外側を公転するダイモスの軌道長半径は2万3460km。)

過去に衝突した例

彗星が惑星に衝突した例は過去にあり、1994年「シューメーカー・レヴィ第9彗星」は木星に衝突しています。

1993年に発見されたシューメーカー・レヴィ第9彗星
800px-Shoemaker-Levy_9_on_1994-05-17

1994年シューメーカー・レヴィ第9彗星が木星に衝突した跡
Jupitersatelliteimpact

彗星や隕石衝突の威力

彗星の重さは、直径1km程度の彗星で数十億トン単位、10km程度の彗星で数兆トン単位で地球の山一つ分ほどに相当するらしいのですが、その5倍となると5^3=125個分くらいの重さになるんでしょうか・・・

仮に彗星が火星に衝突すれば秒速約56kmで衝突することになり、衝突エネルギーは20ペタトン (8 × 1025J) で、広島原爆(リトルボーイ)の1兆倍。

ちなみに、2013年2月15日エカテリンブルク時間 (YEKT) 9時20分26秒にロシアに落下した隕石「2013年チェリャビンスク州の隕石落下」で落下前に小惑星が上空20キロ前後で爆発しているのですが、その威力が広島型の原爆の30倍程度なので、1兆倍が如何に大規模なのかが伺えます。

また、ロシア製水爆(ツァーリ・ボンバ)の4億倍のエネルギーでもあり、直径500km、深さ2kmのクレーターが生じると考えられています。

NASAによると、これらの様子は現在火星で活動中の探査機「キュリオシティ」らにより観測できるかもしれないとしています。衝突しなかった場合は2014年10月25日、太陽に最接近する予定。

火星に超接近の「サイディング・スプリング彗星 (C/2013 A1)」、2014年10月20日午前4時27分に通過
https://tozanabo.com/archives/siding_spring_comet_mars_access.html

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