世界一大きな木。高さが全てじゃないよ

2017/03/23

世界には信じられないくらい大きな木が存在します。多くの人が、大きな木=世界一高いを想像しますが、必ずしもそうではありません。

世界で最も太い木

まずは太い木です。このトゥーレの木世界一太い木とされています。

トゥーレの木はメキシコ南部のオアハカ州にあるサンタ・マリア・デル・トゥーレという街の中心に位置するアトリオ・デ・ラ・イグレシア(Atrio de la Iglesia, アトリオ教会)の敷地内に立っています。

スギ科ヌマスギ属のメキシコラクウショウ(メキシコ落羽松)で、2005年時では根の出っ張りを含めた幹の周長は36.2 m、直径で11.62 mとされています。

Google mapでも定点によってこの巨樹を眺めることができます。

2017年2月撮影

2015年2月撮影

下にあるグーグルストリートビューは反対側から見た様子。

2015年3月撮影

項目数値
板根を含む周長36.2 – 58 m
幹の平均直径11.62 m
板根を差し引いた幹の直径9.38 m
樹高35.4 m
体積816.829 m3
重量636.107 t
樹齢(誕生年)西暦405年 – 西暦572年頃
(2005年時点で推定樹齢 1433年 – 1600年)

地図でAtrio de la Iglesiaを調べると、メキシコ国内だけでいくつも出てきます。ここで言うアトリオとは、16世紀にスペインがメキシコを侵略した後、メキシコの原住民をキリスト教に改宗させるために作られた施設として、日干し煉瓦や石積みで囲まれた広大な敷地を指します。

敷地内には屋外教会やポーサ(Posa)と呼ばれる簡素で小さな礼拝所が建てられ、石造の立派な教会が建てられたのはそのあとです。(参照

アトリオの語源は恐らくラテン語のアトリウムで、アトリウムは現代のギリシャ語で「明るい・晴れた」を意味し、教会などで太陽光が沢山入る空間という建築用語としても使われています。またアトリエの語源でもあります。

なので、アトリオ教会というネーミングには2つの要素があります。1つは原住民を改宗させるための青空教会だったから。或いは、その教会が日光を取り込むための大規模な空間であるアトリオを備えた建築であることです。

世界一高い木

こちらは高い木です。セコイアという木は大きく2種類に分けられます。

ひとつはジャイアントセコイア、セコイアオスギ(世界爺(や)雄杉)等と呼ばれるセコイアデンドロン(学名:Sequoiadendron giganteum)。

もうひとつはセコイアスギ、センペルセコイア、レッドウッド、アメリカスギとも呼ばれるセコイア(英: Sequoia、学名:Sequoia sempervirens)です。

セコイアデンドロンとの対比からセコイアメスギ(当て字:世界爺雌杉)とも呼ばれます。それぞれヒノキ亜種の常緑針葉樹で、1属1種しか存在しません。

ちなみに、現存するうち世界で最も高い木は、アメリカ・カリフォルニア州モントゴメリー保護区域内の森林にあるレッドウッド(セコイアメスギ)だと言われています。

世界で一番高い木となると、スケールは字の如く桁違いで、なんと115.61 mもあり、この木の樹齢は600年~800年程度。

また、樹齢最高記録はジャイアントセコイアで3200年。