ハッブル23周年記念に馬頭星雲の鮮やかな最新画像を公開

2016/05/13

1990年4月24日、ハッブル宇宙望遠鏡はスペースシャトルディスカバリー号に搭載されて宇宙へ打ち上げられました。2013年で23周年になるのを記念して、ハッブルにより近赤外線で撮影された馬頭星雲の最新画像を公開!

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2013年の23周年記念の近赤外線撮影の馬頭星雲
The Horsehead Nebula in new light

地球から約1500光年先にある馬頭星雲はオリオン座の方向に見え、可視光で撮影すると赤い星雲を背景に左を向いた馬の首のように見えることからその名が付けられています。今回のように赤外線で撮影すると多くは透明に写ります。星雲の中に見える黒い部分はガスと塵が周囲よりも濃く集まっていて奥の光を遮っているためで、可視光で黒く見える星雲は暗黒星雲と総称されます。

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ESA(欧州宇宙機関)のハーシェル宇宙天文台からの最新画像

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ハッブルの画像は星雲自体が発する近赤外線をとらえており、透明感と立体感があります。星雲の上部が明るいのは画面外に煌く(きらめく)星々からの光を浴びているため。馬頭星雲も本来はもっと大きかったのですが星の発する強力な紫外線が星雲を少しずつ散失させられると同時に、恒星表面から吹き出すガスの流れ恒星風により現在の姿に。500万年後には星雲そのものが消えてしまうとみられています。

23年間でハッブル宇宙望遠鏡は地球を12万6千回近く周回、総飛行距離は50億kmで太陽~海王星間の平均距離に匹敵します。これまで36,000個以上の天体を対象に100万回以上の観測を行っており、今も毎月1 TB(テラバイト)以上のデータが蓄積されています。

過去の画像

2001年4月24日撮影

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2006年11月13日撮影

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2012年1月27日撮影

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2013年撮影

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