2030年-未来の車の姿 密集して群れる完全自律走行車 「Autonomo」

2016/10/26

Autonomoは、世界の主要都市の多くが直面している主要な問題の多くを克服するために、2030年に向けて設計された完全自律走行車、自動運転車です。

1車線に並列して2台が走れる幅の広さで、それぞれ各機が周囲を認識するセンサーを持っており、列をなして集団で移動することを前提としています。それぞれの固体がセンサーでの情報を頼りに周囲の固体と精密な連携を行うことで、車間距離を必要最小限に留め、自動車道路のスペースを最大限に活用することで乗り物をより多く、より迅速に移動させることができるようになることを見込んでいます。

Autonomoを発案したのは、オーストラリアのメルボルンに住むデザイン専攻の学生チャールズ・ラトレイ氏。彼よると、各Autonomoは物体認識センサー、モーションセンサー、車両間(V2V)通信を活用することで、ほかの自動車、トラック、バイクなどと共存できるといいます。

発想

お互いの位置を認識しあい、魚の群れのように動く。

ラトレイ氏は次のように述べています。

  • 他の車両の後ろにつける、車線を変える、あるいは追い抜くという決定を行うたびに、周囲の車両の性能特性を計算する
  • こうした決定をほかの自律走行車と絶えず共有し、安全で効率的な輸送のために協力する
  • 物体認識の性能さえ十分ならば、歩行者や自転車の存在を感知することができて、Autonomoは自転車用道路や歩道でも乗れるようになるかもしれない。

現存のインフラ・道路に対応

ラトレイ氏は、Autonomo側の要求にあわせて行政側等が路面や信号システムといったインフラを変化させることは想定しておらず、現状の道路を最大限に活用するものとしてAutonomoを設計しており、混雑がひどい道路に専用車線を追加するほかには、特別な便宜はまったく考えていないといいます。

ラトレイ氏はAutonomoに関して、自律走行する車が連なって接近した緊密な「小隊」状態になる、いわゆる「ロードトレイン」技術の進歩も期待しています。スウェーデンのVolvo社など欧州の自動車メーカーは、V2V技術で現行の高速道路を最大限に活用する方法を研究するEUのプロジェクトの一環として、ロードトレインのテストをすでに開発しています。