「競馬の外れ馬券は経費?」2審も認定、1億4千万円利益の男性に当たり前の判決

2016/05/05


2014年5月9日、競馬予想ソフトを利用した馬券購入の払戻金をめぐり、所得税約5億7千万円を申告しなかったとして所得税法違反(単純無申告)罪に問われた元会社員の男性被告(40)の控訴審判決が大阪高裁で開かれましたが、大阪高裁判決は被告男性の主張を受け入れる判決を下しました。

何故こんな当たり前の判決のためにわざわざ裁判が行われたのか首を傾げる人も多いのではないでしょうか。

検察側は、払戻金は偶発的に得た「一時所得」だとして、所得から差し引くことができる経費は、当たり馬券の購入費のみと主張していた。これに対し、米山裁判長は「(男性の)馬券購入は営利を目的とした継続的行為に当たる」と指摘。

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140509/waf14050914550029-n1.htm

株式取引に当てはめるとどうなるのか

本判決の通りになることは検察ですら自明だった思いますが、仮にこの裁判で検察の主張が認められた場合、馬券のみならず株式市場の根幹すら揺るがしかねない事態になるのではないでしょうか。

例えば、あなたが1株100万円の株と1株1円の株をそれぞれ1株買い付けたとします。ところが100万円の株は1円に下落し、1円の株が100万円まで値上がりしました。あなたはそこで決済売りを行いました。

この場合、手数料を除けば儲けはプラスマイナス0円です。ところが、検察は「100万円の利益が出ているからその分の税金を払え」と言っているようなもの。なんともおかしな話なんですが、「国営の賭博で安定的な儲け出してんじゃねぇぞこら」ということでしょうか?

(2013/5/29): 認められた「馬券のプロ」 競馬払戻金課税で判決
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO55492380W3A520C1000000/