河川の石はなぜ丸い?数学者が地質学の謎をついに解明!
河原の石ころは、上流であるほど大きくゴツゴツしていて、下流であるほど小さく丸い。
「ねぇ、どうして?」
子供からこんな質問をされたらどう答える?或いは自分が子供の頃こんな質問を大人にした時、どんな回答を得た?
何世紀にも渡り地質学者がその謎の解明を続けてきましたが、この理由をはっきりとは解明できずにいました。
一般的常識から考察すれば、2つのプロセスが想像できます。
- 石ころは下流に流されるに従って摩耗されていくことで角が丸くなり、小さくなる
- 上流にある小さな石だけが下流まで流されてきた
本当のところはなぜでしょう?
石は摩耗で丸くなるが、そもそも滑らかでなければいけない
ペンシルベニア大学のダグラス・ジェロルマック氏(Douglas Jerolmack)は、ブダペスト工科経済大学の数学者の協力のもと、この難問に挑戦。
その結果、丸く小さくなる主要因は石の摩耗ではあるものの、そのために石は最初から滑らかである必要があることが判明しました。これは地質学における定説を覆します。
地質学者たちはこれまで、「石が摩耗するプロセスはゆっくり過ぎるため、摩耗ではこの現象の説明がつかない」と考えていました。そのため、地質学では、「上流にあった最初から小さな石が選択的に下流にまで運ばれる」と考えていたのです。
ブダペスト工科経済大学の研究チームは、石の尖った部分を数学的にモデル化し、それらが下流に流されていくことでどれだけ摩耗が生じて丸くなるのかを方程式化し、数学的問題として解きました。
その結果、判ったことは2つ。
- 高いカーブ曲線を描く部分は早く摩耗する
- 直線に近い部分やマイナスのカーブ曲線の箇所に関しては全く摩耗が生じない
この摩耗方程式は、空間中で熱がどう拡散するかを解くための方程式と類似しています。これを使えば、河原で任意に拾った石ころがこれまでどれだけの距離と時間をかけて流れてきたかを割り出すことができるようになるといいます。
研究チームはこの研究成果をPLOS ONEを通じて発表しています。
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