大阪大学が「進化の機能」を持つ人工細胞の作成に成功!
JST(課題達成型基礎研究)の一環として、大阪大学 大学院情報科学研究科 四方 哲也 教授の研究チームが、生物の特徴「進化する能力」を持つ人工細胞を作り出すことに世界で初めて成功。
従来の人工細胞は生物の大きな特徴である進化する能力を持っておらず、その応用範囲は限定されていました。
研究チームは、RNAからなる人工ゲノムと数十種類のたんぱく質などを細胞サイズの油中水滴に封入した人工細胞を作成。
人工細胞を長期に培養した結果、複製エラーによりゲノムRNAに突然変異が蓄積し、より複製しやすいゲノムRNAが自然選択により進化することを見いだしました。これはダーウィンが提唱した進化のメカニズムを持った人工細胞が誕生したことを意味します。
本研究で作成した人工細胞は、進化するための必要最低限の能力しか持っておらず、原始生命が初めて進化する能力を獲得した状態とよく似ています。
今後、この人工細胞をさらに進化させることにより、原始生命がどうやって複雑な生命体へと進化することができたのかを、実験的に明らかにすることができると期待されており、またこの人工細胞を基盤としてさらに多くの能力を進化させていくことにより、天然の生物に頼らないより効率的な食糧や薬剤の生産に貢献できると期待されています。
2013年10月3日、本研究成果は(英国時間)に英国科学誌「Nature Communications」のオンライン速報版で公開されています。
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