世界で最も黒い素材「Vantablack(ヴァンタブラック)」

2016/05/05

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イギリスのナノテク企業がカーボンナノチューブ(CNT)を利用した光吸収材料「Vantablack(ヴァンタブラック)」を開発しました。
ヴァンタブラックは2014年7月現在、「世界で最も黒い物質」として記録を保持しています。

光の反射率0.035%、吸収率99.965%

Surrey Nanosystems社が開発に成功したVantablackの光の反射率は0.035%、逆に言えば吸収率が99.965%とも言えます。
仮に、クシャクシャで立体的な折り目が付いたヴァンタブラックの生地が目の前にあったとしても、その凹凸を3次元として確認することは不可能で、真っ黒な2次元平面があるようにしか認識出来ません。
例えるなら、まるでそこにブラックホールがあるかのように見えるのだとか。(ブラックホールを見たことがないけど)

Vantablackの用途

常識的な話ですが、物体に光があたるとき、黒色に近いモノほど光を吸収し、白色に近いモノほど光を反射します。また、反射率が低いものほど黒色に見え、反射率が高いものほど白色に見えるとも言えます。

だから何?と思うかもしれませんが、最先端の機器や装置にとっては非常に重要になってくるのです。
例えば宇宙望遠鏡のような超精密光学機器。望遠鏡の内部をこれらの光吸収材料でコーティングすることで、より遠くの微かな星の光を捉えることができます。当然NASAなども高効率の光吸収素材を独自に開発しています。

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