スマートコンタクトレンズ実現も間近!?超極薄型フレキシブル回路を開発/チューリッヒ工科大学

2017/09/17

スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)のジョバンニ・サルバトーレ博士(Dr. Giovanni Salvatore)率いる研究チームらが、超極薄と柔軟性を兼ね備えたフレキシブル電子回路を開発しました。

ETH Zurich researchers create ultra-thin, flexible circuit

超極薄型フレキシブル回路の開発に関するgizmag.comの英文記事。

Wafer-scale design of lightweight and transparent electronics that wraps around hairs

科学誌ネイチャーコミュニケーションズに掲載された研究論文。

現在はまだ研究段階にありますが、将来的にはスポーツ分野、特に最終的には医療分野でその特長が発揮されると期待されており、衣服の繊維に回路を編み込んだり、コンタクトレンズの表面に回路を載せる「スマートコンタクトレンズ」も視野に入れるなど、研究チームらは多方面での活用を期待しています。

スマートコンタクトレンズ

これはコンタクトレンズの表面にこのフレキシブル電子回路を載せ、それを装着することで緑内障患者の眼圧を監視・測定するというもので、”スマートコンタクトレンズ”と聞いて誰もが初めに想像するようなものではありません。

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しかし、それも実現可能かもしれません。
Apple「iWatch」などのスマートウォッチや、「Google Glass」などのスマートグラスといった時計や眼鏡として装着する「ウェアラブルコンピュータデバイス」の出現のように、今まで想像もしなかったような機器の実用化が現実味を帯びてきています。

回路作成とパリレン(parylene)

回路を作成するために、電子ビーム蒸着、原子層蒸着、スピンコーティング、高周波スパッタリングなどによっていくつもの層を積み重ねています。構造化は、紫外線(UV)リソグラフィ及びエッチングを使用。

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回路はパリレン(parylene)と呼ばれる極めて柔軟性に富む透明な素材の上に作られています。耐熱温度は150℃(302ºF)と非常に高い温度に耐えることができ、適切な材料であれば溶媒に侵食されず、生体適合性・可撓性(柔軟性)に優れており非常にしなやか。

このフレキシブル電子回路は薄く柔らかいので髪の毛を包み込めるほど。厚さは最大0.001mm(1000分の1ミリ)。人間の髪の毛の太さが約0.08mmですから、毛髪の1/80ほどの薄さということになります。

太陽光を電源として無線で供給か

現在、研究チームがアプローチしているのは、太陽光エネルギーや運動エネルギーを無線で回路へ電源として供給するというもの。彼らは「”フレキシブル回路のエネルギー供給”は間違いなくホットな話題だ。同時に、より複雑な回路によって温度や異なるガスを監視できるようなセンサーや、ロボットや人工装具のための”スマートスキン“のようなものを実現するために、繊維や弾性体など性質の異なる物体との膜の統合の可能性を模索している。」と語ります。