潜熱で痩せる「氷ダイエット」を米科学者が発案、守るべきポイントほか

2016/05/05

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Samuel John/Ice Spiral
アメリカの科学者が「氷ダイエット」を提案しています。これは “体内で氷を溶かすときにカロリーを消費する" という単純な方法。誰もが「何を今更」と思うかもしれませんが、その消費カロリーと限度について触れています。

この氷ダイエットを提唱するのはニュージャージー州のロバート・ウッド・ジョンソン・メディカル・スクール(Robert Wood Johnson Medical School)胃腸病学者、ブライアン・ワイナー助教授(Brian Weiner)で、科学雑誌「Annals of Internal Medicine」でそのアイデアを発表しています。

彼の計算によると、1Lの氷を体内で溶かすときの消費カロリーは、1マイル(約1.6km)のランニング(約160kcal)に匹敵するといいます。

凍っていない冷たい水を飲んでその水が体内の熱を奪う顕熱とは違い、氷の場合は潜熱を利用することができます。

潜熱

潜熱とは、物質の相が変化するときに必要とされる熱エネルギー。物質が固体から液体、もしくは液体から気体に相転移するときには吸熱が起こり、逆の相転移のときには発熱が起こる。

0℃の氷から0℃の水へ変換するためにもエネルギーを要するため、より少ない量の摂取で済みます。
また、冷たい食べ物、凍った食べ物を食べると、口と胃はある程度の満足感を得られるため、空腹感を先延ばしにすることができるという心理的な側面も持ちます。
しかし、それでも体重を1ポンド(450グラム)落とすために必要な氷の量は16.7リットル。毎日1リットルの氷を食べ続けても17日間かかる計算です。

注意点

これらを実践するには必ず守らなければならないルールがあります。

1日の氷摂取量は1Lを超えないこと

The Atlantic」の説明によると、これを守らない場合、不快な寒気に襲われて各器官の機能を害する可能性のある「低体温症」に陥る危険があります。

運動後には氷を口にしないこと

運動によって既に熱となったエネルギーが優先的に氷を溶かし、消費されるはずのカロリーを減らす、結果として効果が薄れてしまうからです。

氷は噛まないこと

氷をかみ砕くと歯のエナメル質や歯ぐきを傷つける可能性があるので口の中で溶かすように食べること。

また、味(無味)に嫌気が差すでしょうから、オレンジジュースなど低カロリーのドリンクを凍らせるのも飽きがこなくていいですね。